| 審査員コメント |
林間を抜け、いつとも知れず森の奥へとさまよいこんで、ふと気がつくと、
そこは幻視と幻想が交差する異界だった。
そんな、不条理な倒錯感で、見る者の潜在意識を刺激する奇妙な映像世界
である。
どこかカフカ的なラビリンス。 |
| 森山大道(写真家) |
怖い写真だ。森の中に迷い込むという経験は、方向感覚を失わせてしまう。
自分がどこにいるのか、何者なのかも曖昧になり、気がつくと、どこか別の世界に誘い込まれているように感じる。時岡さんの作品を見ているうちに、ずっと前に同じような経験をしたことがあるという既視感を押さえ切れなくなってきた。深い森の奥で迷子になり、こちら側に戻れなくなってしまったことがあったような。その偽の記憶に奇妙なリアリティがある。 |
| 飯沢耕太郎(写真評論家) |
見れば見るほど恐い写真、
じわじわと恐怖がおしよせて
くる。林と人がそぞろに、
ざわざわとざわめき、うごめく、
作者の意図を越えて。 |
| 上田義彦(写真家) |
怪しげな雰囲気がいたるところに漂っています。
森の中は、鬱蒼とした木々が命をかけて生きていて、
それだけで活気が充満し、同時に霊気がそこかしこに忍びよってきます。
合成されたイメージではあるけれど、生と死が交差した得体のしれない別の時空へと連れられて行くような感じがします。人間と自然がとけ込んで、ひとつのあらたな次元の出現です。 |
| 瀬戸正人(写真家) |
| 私は森をさまよっているようでもあり、都市(まち)をさまよっているようでもあります。ことば(意味)のない世界を浮遊しているようです。フォトアワードの写真集群にはなかった構造です。 |
| 百々俊二(写真家) |